雑誌「歴史群像」 2012年10月号 No.115
「山本長官機を訪ねて」 馬場 亙
当誌の巻頭を飾っている特集である。残念ながら第二十八防空隊については触れられていないし、
その文言も一言も出てこないのだが、「ソハナ島」が紹介されている。以下が該当箇所。
戦前の一時期にはブーゲンビル政庁が置かれたこともあるソハナ島に上陸、全島が庭園のように
芝生と花に覆われた小さな島を縦断し、ソハナの慰霊碑に礼拝した。後方にはその碑を見守るかの
ように、骨組みだけになった零式水上観測機の胴体が置かれていた。その晩泊ったブカ島のホテル
からもこの慰霊碑は良く見え、その真上に南十字星が輝く光景は、この先ずっと忘れえないものに
なるだろう。
他に、この「零式艦上観測機」の写真と、慰霊碑の写真が掲載されている。慰霊碑はかなり立派
なもので全国ソロモン会建立とある。碑は合掌の形をしていると紹介されている。碑の向こうに、
ブカ島とブーゲンビル島が見える。実は、同誌には、「ソロモン1943」という記事も載ってい
るのだが、こちらは、副題に「ニュージョージア諸島を巡る日米の死闘」とあり、ラバウル防衛の
ために激闘が繰り広げられた中部ソロモンの戦いが紹介されている。ソハナ島・ブカ島は、北部
ソロモンとなるため、二十八防空隊は記事中には登場しない。しかし、ソロモンの戦いというも
のがいかに激しいものだったのかがよくわかる。南部ソロモンはもちろんガダルカナル島
の戦いであり、上記の記事は山本五十六聯合艦隊司令長官の戦死地であることから、祖父は最前線
に近いところにいたということがよくわかった。